参考資料

 ここには,ホームページで取りあげた記事を補足するための説明や写真を掲載します。

参考資料1 タテハモドキ
参考資料2 3倍体の植物
参考資料3 フキノトウ
参考資料4 ヤマノイモと類似した植物の比較
参考資料5 ニホンミツバとセイヨウミツバチ



参考資料1 タテハモドキ

 タテハモドキはアジアに広く分布しているチョウで日本はその北限にあたります。近年分布が北上しているようで,福岡県でも普通に観察できるようになっています。写真のように夏型と秋型との2つの季節型があり,日本では成虫で越冬するとされています。筑後では晩秋から早春にかけて,秋型の個体が観察される。歳時のコーナーでは,タテハモドキの季節型の推移を記録することになりました。
 2022年筑後市の観察では,5月下旬から6月上旬にかけて秋型から夏型に移行し,9月下旬から10月上旬にかけて夏型から秋型に移行しているようです。

参照  催事 昆虫


参考資料2 3倍体の植物




参考資料3 フキノトウ

 フキノトウは,フキが花を形成するときに生じる構造です。雌雄異株で雄株と雌株とがあります。写真の雄株では,はっきりとめしべの柱頭が確認できます。雄株には,両性花が形成されるのです。しかし,この両性花は花粉の供給源になるだけで,けして種子を形成することはないとされています。雌株には,両性花と雌花とが形成され,やはり両性花は種子を形成せず,蜜のみを供給するようです。雌花のみが受精して果実を形成するとされています。写真の雌株では,雌花のめしべの柱頭が2つに分かれているのがわかります。羽毛が目立ち始めた頭花を分解すると,基部に果実が形成されているのがわかります。雄株の花柄はやがてかれますが,雌株の花柄には種子が形成されますので,しばらく成長が続きます。



参考資料4 ヤマノイモと類似した植物の比較

 ヤマノイモと最も類似した植物はナガイモです。自宅にも,植もしないナガイモが植木鉢から顔を出します。この両種を一目で区別する方法があるかどうかは微妙ですが,初期の成長期は容易です。葉は両種とも対生または互性につきますが,ナガイモの葉及び茎は写真のようにやや赤みを帯びています。この特徴は私の観察した範囲では今のところなりたっていますが,全国どこでもそうかどうかはわかりません。葉の形は,ネットの写真もナガイモの方が横に耳がはるような形状をしています。




参考資料5 ニホンミツバとセイヨウミツバチ


ニホンミツバチの脈翅

 ニホンミツバチはトウヨウミツバチの1亜種です。日本に移入されているセイヨウミツバチは,ヨーロッパ系のものです。日本養蜂協会のホームページには以下のような説明が記載されています。

日本には,飼養状態下のセイヨウミツバチと在来(野生)種のニホンミツバチの2種がおり,近年,後者がその生息数を大幅に増加させています。アフリカから欧州にかけて26亜種からなるセイヨウミツバチのうち,日本に導入されたものはイタリア系のApis mellifera ligusticaとされます。しかし,アメリカで200年飼われた後に日本に導入され,その後も様々な別亜種の血が混じり,血統的にも環境適応的にも,元亜種のそれとはかなり違った性質となっています。

 ここで課題にするのは,ニホンミツバチと日本に移入されたセイヨウミツバチとの違いです。形態的な差異は,後翅の外側の翅脈がHのように二股に分かれているのがニホンミツバチを含むトウヨウミツバチの特徴で,Yのように一本になっているのがセイヨウミツバチです。写真とウィキペティアのミツバチの図を参照してください。生態写真では,よほど上手に撮らないと両種を区別するのは難しいと思います。上の画像は,吸水に来て,溺れた個体を取り出して撮影したものです。幸いなことに,撮影中に息を吹き返したので外へ逃がしました。両種の違いを正確に判別するには採集するしかないようですが,慣れればだいたいわかるようになります。外見だけでわかるような特徴として,以下のようなものがあります。
 ① ニホンミツバチは全体が黒っぽくて腹部の縞模様が目立つ。
 ② セイヨウミツバチは腹部の付け根からの黄色い部分が広い。
 しかし,セイヨウミツバチにも黒が強いものがあり,これだけでは正確とは限りません。そこで,お薦めなのが複数の個体を観察することです。ニホンミツバチの方がセイヨウミツバチに比べてやや小さいとされていますので,腹部が黒っぽくややこぶりの個体が複数飛来していれば,ニホンミツバチが採蜜に来ていると考えてほぼ間違いはないと思います。